日高市教育委員会様
Yubi Plusを活用して教職員の負担なく校務支援システムのセキュリティを強化
日高市教育委員会
埼玉県日高市内6つの地区には、それぞれ小・中学校、公民館が1つずつある。全国でも珍しいこの特徴で、地区ごとの小・中学校の連携や統合を図り、地域の力も活用して「コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育」を進める日高市教育委員会。小学校と異なる環境や生活スタイルに馴染めず、不登校やいじめにつながる「中1ギャップ」への対応や、学力の向上をねらいとする。地域のメリットを最大限に活かしながら、学習環境を整備する日高市では、2020年に大幅なICT化を推進した。教職員が負担を感じることなくYubi Plus(ユビプラス)を活用し、強固なセキュリティを実現した秘訣について日高市教育委員会 学校教育課 利根川典正 課長、藤田剛典 指導主事、濵浦雅英 主査に聞いた。
2020年、日高市内の小・中学校各6校ではICT環境の整備が大きく進んだ。GIGAスクール構想による1人1台端末の導入に加えて、統合型校務支援システム「Win Bird(ウィンバード) 校務支援データベース」が導入されたのだ。働き方改革を推進する中、2017年度から各校の教職員へアンケートをとって丁寧に要望を把握してきたと利根川課長は振り返る。教職員、教育委員会の大半が学籍管理や成績管理など煩雑な紙による校務をデジタル化したいと切望していた。こうして導入された統合型校務支援システムは期待とともに大いに歓迎され活用が進んだ。
強固なセキュリティと教職員の負担ゼロを追求
統合型校務支援システムの導入に際して、最も懸念したのはセキュリティ面だった。他自治体における情報漏洩などの度重なるセキュリティインシデントの事例を踏まえて、学校で扱うデータのセキュリティ強化の必要性は強く意識していた。それでいて決して教職員の負担が増えるようなことがあってはならない。利根川課長は繰り返し強調した。
教職員の負担ゼロで学校のセキュリティを守るため心を砕いた。セキュリティを強化するには二要素認証が有効であることは理解していたが、認証デバイスを万が一落としてしまい、それが事故につながるのであれば、教職員の大きなストレスや負担につながってしまうと懸念した。もちろん使い方自体も簡単であることは必須条件で、コストのバランスも重要だった。
教職員の負担ゼロで、セキュリティ事故を防ぐために Yubi Plusを導入
全てを解決するセキュリティソリューションを探していて出会ったのがYubi Plusだった。すぐに市内全校320名の教職員に二要素認証のための小さなUSBセキュリティ鍵が配布された。
◆トレーニング不要、簡単な操作で校務支援システムへ安全にログイン
Yubi Plusの二要素認証は、WindowsのID・パスワード入力に続けて、教職員専用のUSBセキュリティ鍵をパソコンのUSBポートへと挿入、センサー部にタッチするだけと非常にシンプルで容易だ。
さらに「Win Bird 校務支援データベース」をはじめとする統合型校務支援システムと連携しており、全く同じ操作性で二要素認証によるログインが完了するため、教職員は新たに覚えることが何もない。利根川課長の要望した「先生の負担が無いこと」を完全に実現できた。
各校での導入教育に要した時間はほぼゼロに近く、現時点で紛失や故障も含めて、問い合わせなどのサポートコストや管理コストもゼロだと藤田指導主事、濵浦主査は話す。
日高市ではICT化に合わせて、3名のICT活用アドバイザーを採用した。必要に応じて各小・中学校へ出向き、教職員をサポートしているという。ICT全般についてすぐに聞ける身近なアドバイザーの存在も教職員の負担軽減、円滑な情報共有、スムーズな運用実現の一翼を担っているようだ。
Yubi Plus導入というセキュリティへの強い意志が伝わり、現場の意識改革に大きく貢献
◆Yubi Plusの導入が教育委員会のメッセージに
Yubi Plusによる二要素認証導入のメリットとして、とにかく簡単に教職員の負担なく、安全で堅牢な学校の情報管理を実現できたことを挙げた利根川課長。もう一点大きな効果として、Yubi Plusというセキュリティ製品を教育委員会が導入したこと自体が「徹底して学校のセキュリティを守る」という強い意志として教職員に伝わったことにあると力を込める。
統合型校務支援システム、1人1台端末、Wi-Fiネットワークと大きく環境が変わってセキュリティリスクを身近に感じる中、Yubi Plus導入というメッセージが教職員のセキュリティへの意識改革を大きく進めたのだ。
導入を検討する自治体からUSBセキュリティ鍵の紛失を心配する声を聞くがUSBセキュリティ鍵自体にはデータの格納がなく、万が一紛失しても情報漏洩のリスクはない。「それはもちろん無くさないでほしいけれど」と利根川課長は笑顔を見せつつ、「教職員の意識改革を進めることが紛失防止に繋がるはずだ」と自信をのぞかせた。
セキュリティ鍵の利用や管理法は各校に委ねているが、紛失はゼロ、変化への反発もなく積極的に活用されている背景に、この意識改革が大きく貢献しているのだろう。
◆教諭らの連携でセキュリティを守る場面も
職員室には児童生徒が入室し、至急の用件対応で教員らを連れ立つことも多くある。校務パソコンには機微な個人情報が表示されていることもあるが、さっとUSBセキュリティ鍵を抜きさえすれば画面はロックされる。児童生徒への対応で手が離せない教諭に変わり、隣席の教諭が抜くこともあると聞くが、このような連携も意識改革の表れの一つと利根川課長。
今後の展望として
教育現場は児童生徒の安全を守らなければならない、児童生徒中心という想いが先に立つため、リスクがないだろうかと否定的な考えから入るのは当然だろう。今回のYubi Plus導入が成功したのは、現場と教育委員会双方の念願であった統合型校務支援システムによる校務効率化を安全に実現するという目的を叶える、簡単で負担ゼロの二要素認証だからという点が大きい。
今後は、社会を取り巻く環境変化や国のガイドラインにおいて、もっとセキュリティを強化する必要が出てくるはずだと考えている。また、様々な事情で登校ができない場合を想定したオンライン授業や、自宅から学校内のネットワークへの安全なリモートアクセス整備など、もさらに踏み込んで進めていきたいと利根川課長は展望を語った。